TAMIYA マイティフロッグに、同社の「NOVA FOX」や「HOT SHOT」「 THE BOOMERANG」のような横置きのオイルダンパーとスタビライザーを追加するパーツです。
このパーツは試作したものの、加工コストの割に実用性に乏しいという理由からボツになりましたが、横置きのダンパーは見た目にもかっこいいのでイミテーション モノショック として採用しています。
既存のパーツを加工しますので、元に戻す必要がある場合は事前にパーツ請求する等の対策を行ってください。
パーツ構成
- ボディマウントベース
- スタビライザーアーム x2
- スタビライザーベース x2
- モノショックリンク x2
- リンクブレース x2
その他必要なもの
- オイルダンパー x1(OP.1567 DT-03 CVAダンパーセット)
- スタビライザーロッド x1(OP.1561 DT-03 スタビライザーセット)
- スタビロッドストッパー x1(OP.827 スタビロッドストッパー)
- ピロボールナット x4(OP.599 フッソコート 5mmアルミボールナット)
- M2x15mmネジ&ナット x4(ミニ四駆に使われているネジが使えます。)
- M3x10mmネジ x2
- M3x22mmネジ x2
モノショックリンクの組立て
まず、モノショックリンクの先にM3x10ネジでピロボールナットを取り付けます。
フロントのサスペンションステーを取り外して内部のバネを取り除きます。
フロントサスペンションの下部アームを取り外し、アームの中央部分の補強部分を切り取ります。(表側、裏側両方ともに切り取ります。)
模型用のニッパーやデザインナイフを使ってV字型に少しずつ切り進めていくと綺麗に切り取ることができます。
一気に全部切り取ろうとすると変形して白化したり、最悪破損する場合があるので注意してください。
一番底の部分を取り除くことが難しいですが、短冊状に縦に細かく切り込みを入れてマイナスドライバーで強引に取り除くのも方法の一つです。
模型用の彫刻刀(平刃)があると便利です。
完全に切り取るのではなく、写真のように両端に1mmくらい残してください。(モノショックリンクを取り付ける際の位置合わせのガイドになります。)
モノショックリンクとリンクブレースを取付けてみて、しっかりと奥まで入っているかチェックしてください。(図参照)
- モノショックリンクは根本までしっかり入っているか確認してください。
- リンクブレースはアーム内部に完全に埋まり、いわゆる「ツライチ」になっているか確認してください。
上記のようになっていない場合は、内部の切り取りが完全でない可能性があります。
しっかり奥まで収まっていたら接着します。
このとき、取り付ける向きに十分に注意してください。逆にしてもそれっぽく取り付けられてしまうので間違えやすいです。
- モノショックリンクは、アームの出っ張り(バネを押すアーム)と重なるように位置します。
- ショックブレースは穴が小さい側に開口部が位置します。
モノショックリンクの開口部をガイドにして、φ3mmドリルでサスアームに穴を開けます。
φ3mm穴が開いたら、M3x22mmのネジとロックナットで固定します。(厚みが気になる場合は通常のボルトとネジロックで固定してください。)
両側のサスペンションアームが完成したらサスペンションステーに取付けます。
サスをピロボールにはめ込む際は、下図のように裏側をマイナスドライバーで支えてやると入れやすいです。
下図の位置でラジアスアームとモノショックリンクが少々接触しますが、連動して動くので影響はないと思います。気になる場合は接触位置を削ってください。(強度確保のため可能な限り厚みを持たせているためです。)
スタビライザーロッドの取付け
サスペンションの図の位置のロックナットをピロボールに変更します。(ネジロック推奨です。)
スタビライザーロッドに図の順番でアームとストッパー等を取付けます。(写真はフロント用ですが、リア用のロッドを使うこともできます。)
ボディマウントの4つの隙間にM2ナットを入れておきます。(ナットの六角の頂点の部分を下に向けます。)
スタビライザーベース、スタビライザーアーム、ボディマウントを取付けて、M2x15mmネジで両側から固定します。このとき強く締めすぎると樹脂を痛めるので、緩みが気になる場合はネジロックを利用してください。
なお、がたつき防止のため、スタビライザーベース、スタビライザーアーム、ボディマウントはそれぞれ接着することを推奨しますが、スタビライザーアームをあとで交換できるようにホットボンドで固定すると良いと思います。
DT-03用のスタビライザーセットの組立て説明書のとおりに短めのリンクロッドを作り、スタビライザーロッドとサスペンションを繋げます。
なお、写真のDT-03のフロントスタビライザーロッドは、若干幅が狭いのでラジオペンチで広げてください。
オイルダンパーの取付け
金属製のボディマウントを取り外し、土台を切り取ります。取り外した金属製のボディマウントはボディマウントベースの穴に差し込んで接着剤で固定します。
差し込んだボディマウントは下側に突き出た状態になりますが、気になる場合は切り取ってください。
※ボディマウントを使用せず、マジックテープやネオジム磁石を接着して使う方法もあります。
オイルダンパーの長さは、下部パーツを変更することで多少調整は可能です。
ボディの切り取り
幅22mmに切ったマスキングテープをボディ中央に縦に貼り、ボディマウント穴中心から上方22mmの位置に水平にマスキングテープを貼ります。
貼り付けたマスキングテープをガイドにしてボディを切り取り、ボディマウント穴中心から上方17mmの位置に直径4mmの穴をドリルで開けます。
補足1:スタビライザーアームについて
スタビライザーアームの厚みは3mmなので、ミニ四駆用のFRPステーを2枚重ねにして流用することができます。
スタビライザーベースを固定するM2ネジもミニ四駆に広く使われているものなので、FRPワイドステーセット等を購入すればついでにネジも手に入ります。
また、DT-03等のカーボンダンパーステーで厚みが3mmであれば流用できます。
ルックスの変更以外にも、アームの長さを変更することで様々な長さのスタビライザーロッドの流用が可能になります。
ステアリングサーボとの干渉がクリアできれば、逆向きに取り付けてNOVAFOX風にすることもできるかもしれません。
補足2:スタビライザーの効果について
スタビライザーの効果について、私は長い間、
「遠心力で片輪が浮きそうになるのを抑える=浮きそうなタイヤに下向き(地面方向)の力を加える」装置
だと思っていました。
でも、実はそうではなくて、逆に
「浮きそうなタイヤに上向き(タイヤを持ち上げる方向)の力を加える」装置
なのだそうです。
確かにロッドに加わる力を考えるとそうなっており、なんだか不思議な感じがします。
正確にいうと”左右サスの沈み込み量を均等にする”ということらしいですが、詳細はネットで調べてみてください。とても興味深い内容で勉強になりました。
ブーム当時(小学生)のころであれば理解できないことでも、今であればよくわかります。
スタビライザーは、独立サスであれば必ずしも必要なパーツではないとのことですが、今回のようにモノサスのマシンで、これがない場合、どんなことが起こるのかというと…
写真のような状態のまま元に戻らないという事態になり、結果的に車体中心だけ左右にゆらゆらと動いて(ロールして)安定しない状態になります。
ホットショットにあったフロントスタビライザーが、スーパーショットになって無くなったのも今であれば納得できます。
補足3:モノサス化について
マイティフロッグのモノサス化を最初に目にしたのは下記のサイトでした。
Black Fantom / URL: http:fantomblac.exblog.jp
マイティフロッグ改造 フロントモノショックカスタム完成 / Black Fantom
マイティフロッグ本来のデザインやパーツを否定することのないスマートな設計で、あたかも最初からそうであったような完成度に大きな衝撃を受けました。
モノサス化以外にも、バッテリーマウント等、様々なパーツを自作されております。
尊敬と感謝を込めまして、こちらでご紹介させていただきます。ありがとうござました。