DMM.makeで3Dプリントできる素材のうち、ナイロン素材はカラーを選択することができますが、ここで言うカラーは
- 色付きのナイロン粒子で整形したもの
ではなく、
- 元々の色(カラーを選択せず「ナチュラル」で整形したときの色)に染色したもの
であることに注意する必要があります。
ナイロン素材の仕様の詳細については
DMM.make > 3Dプリント > 選べる素材一覧 > ナイロン
を参照してください。
染色はパーツの表面にしか着色されないため、
- ヤスリによる表面処理
- 切断や切削による形状変更
- 硬いものに接触したことによる表面の傷
の場合、内部の色(白色)が剥き出しになります。
オフロードラジコンの場合、その性質上、マシン同士の接触や地面との衝撃によってパーツ表面に傷がつくことは避けられないので、傷がついたらその部分をレタッチしながら運用していく方法がベターだと考えますが、DMM.makeでカラープリントしたパーツをレタッチするにしても色味を合わせるのが難しいので、最初から自家塗装してしまったほうが手間が省けます。
(補足:ナイロン系の上位素材である「MJF」の「ブラック」についても表面のみの染色ですが、MJFの場合はもともとの色がダークグレーなので、表面の黒色が削れてもそれほど目立ちません。)
塗装の前に
DMM.makeではSLS方式の3Dプリンタでナイロン素材の造形物を印刷しています。
SLS方式は粉末材料をレーザーで焼結して成形するため、完成後の造形物の表面に細かい粒子が残っています。
DMM.makeでも残留粒子の洗浄は行われますが、念の為、塗装する前に中性洗剤などでよく洗浄してください。
特にねじ穴などの細い管の中に粒子が残っていることが多いので注意してください。
ねじ穴については、同じ径のドリルで穴をなぞるのもいいかと思います。
※以下は私の個人的な意見であり、メーカー推奨ではありませんので、この記事を見て塗装を行う場合は全て自己責任でお願いします。
ナイロン素材への塗装
1. アサヒペン クリエイティブカラースプレー
ナイロン素材への塗装についてはいろいろ方法があると思いますが、私の場合はDIYセンターなどで購入できる
を愛用しています。
同社のアスペンラッカースプレーと比較して、アクリルやABSにも塗装できるのが特徴で、実際にナイロン素材に塗装しても剥離することなく強固で良好な塗面が得られています。
屋内外用であるため退色性や耐久性に優れているはずなので、ラフな使い方をされるオフロードRCには向いているのではないでしょうか。
長期間の耐久テストは行っていませんが、少なくともラジコンで利用する程度では問題は少ないという認識です。
塗装前と塗装後の比較ですが、塗装後の表面状態もMJFブラックと比較しても遜色ないレベルだと思います。
私は、プライマーを使わず直にナイロン素材に塗装していますが、剥離等の問題が起こったことは今のところありません。
塗料自体の性能も高いと考えられますが、ナイロンは表面がザラザラで表面積が稼げるのも理由の一つではないかと考えています。(私見です)
ちなみに、私のマイティフロッグのシャーシもこのスプレーでダークグレーやオレンジに塗装しています。プライマー等は使用せず、直塗りです。
2. ゼブラ マッキー油性ペン
学校等で広く使われているおなじみのマッキー油性ペンです。
手元にあったペンで試しに塗装したところ、浸透するように着色し、乾燥後は指で擦っても色落ちしませんでした。
乾燥後の発色もムラなくきれいな仕上がりでした。マッキーペン侮れません。
前述のアサヒペンのクリエイティブカラーと比較しても見劣りしません。
文房具のため日常生活に耐えうる性能を有していると思いますので、紫外線による対退色性能も問題ないレベルだと考えられます。
また、マッキーペンは、安価で入手しやすく(100均で購入できる)、カラーバリエーションも豊富という点も利点として挙げられます。
デメリットを強いてあげるとすれば、ペン先が太いためスリットの奥などへの着色が難しいというところでしょうか。(写真のようにねじ穴の内側が塗れていません)
マッキーペンで塗装する場合もナイロン素材への直塗りを推奨します。前述のとおり染み込むように色がつくため積極的に内部に浸透させたほうが表面が削れた場合でも見た目に影響が少ないと考えられるためです。
実際にナイロン素材に塗装する場合は、裏面に試してみるなど実際の色の付き方を確認しながら行ってください。